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イラク戦争で傷ついた若者が何を必要としているのか…
真実に目を向け考えるべきときが来ているのよ!
イラク戦争から帰還したばかりの若い兵士が失踪。元軍人である父親ハンクは必死に捜すが、息子は無残な姿で発見され、事件は次第に戦争の闇を露にしていく。『クラッシュ』でアカデミー賞を受賞したポール・ハギス監督の新作『告発のとき』は、実際にあった兵士殺害事件を元にした問題作であり、家族の絆を考えさせる重厚な人間ドラマでもある。オスカー女優、シャーリーズ・セロンは、事件を追うシングルマザーの刑事を生活感たっぷりに演じている。
「ポール・ハギスには以前から『こんな話を書いているんだ』と聞いていて、とても興味を持っていたの。ポールは脚本が出来上がるとすぐにメールで送ってくれて、『ぜひやりたい』と即答したわ。これはイラク戦争に対して何か答えを示すのではなく、問題提起をする映画。こうした意義のある作品に出られることは名誉なことで、何としてもやるべきだと思ったわ。イラクに送り出された若者たちに何が起きているのか。傷ついた彼らが何を必要としているのか。彼らの声に耳を傾け、真実に目を向け、考えるべきときが来ているのよ」
息子の死の真相を追究するハンクを演じるのはトミー・リー・ジョーンズ。この演技で、アカデミー主演男優賞候補にもなった。
「トミーはプロ中のプロの俳優。心から尊敬しているし、共演できて本当によかった。何か現場で助言をもらうようなことはなかったけれど、それはトミーが私をプロとして尊重してくれているから。彼の演技の密度はとても濃いから、彼が何か言い、それに返すだけでも、素晴らしいシーンが生まれるの」
ゴージャスな美しさと高い演技力でハリウッドのトップ女優にのぼりつめたシャーリーズ。実際に会ってみると、とてもさばさばした人で、頭の回転が速い。おそらくどんな仕事をしても成功する、デキる女の“気”に溢れていた。
「子供の頃から世界中を旅したいと思っていたし、演技もしたかったから、今は本当に恵まれていると思う。私がいつも自分に確認しているのは、尊厳を持って行動できているかということ。実際の事件を元にした作品であれば尚更ね」
取材・文/石津文子 |